9. 「課題」の利用

9.19. ".url"という拡張子をもつファイルを提出する学生がいる

拡張子 ".url"

".url" は、Windowsで「インターネット ショートカット」という種類の特殊なファイルを表し、特定のWebページのURLのみが埋め込まれています。自分のPCのデスクトップやフォルダ内にこのショートカットを置いておくと、これを開くとデフォルトのブラウザ上で対象のWebページを開くことができます。よく使うWebページのショートカットを作成しておくと便利です。

「インターネット ショートカット」は、ブラウザで目的のページを開いておき、アドレスバーにあるURLのすぐ左側のアイコンをドラッグし、デスクトップやフォルダにドロップするだけで作成することができます。これ以外にも、OneDriveなどではメニューから明示的なショートカットの追加ができます。

作成された「インターネット ショートカット」の名前は、デフォルトでは、そのページのタイトルとなります。アイコンはそのページまたはブラウザのアイコンとなります。

OneDrive上のファイルへの「インターネット ショートカット」を提出物等として受け取った場合、特別に共有設定がされていない限り、それを開こうとするとブラウザが開いてアクセス権限がないと表示されます。

学生が ".url" を提出してしまう経緯

一例として学生が自身のPCでWordファイル「レポート.docx」を作成したとします。多くの場合、Windowsでは主要なフォルダがOneDriveと同期しているので、このファイルはOneDrive内にも置かれます。

何らかの経緯で、WebのOneDriveで「レポート.docx」を開いて、上述のような手順で「インターネット ショートカット」をデスクトップ等に作成してしまったとします。この場合、ショートカット名も「レポート.docx」となります。

本来のWordファイルを開くとデスクトップアプリのWordでファイルが表示されます。この「インターネット ショートカット」を開くとブラウザが開きWeb版のWordでファイルが表示されます。デスクトップアプリのWordとWeb版のWordはインターフェースが敢えてほぼ同じになっており、初心者に近い学生にはどちらで表示・編集を行っているか区別が困難であり、実体のファイルと「インターネット ショートカット」の区別もほぼつかないと考えられます。

よって、この「インターネット ショートカット」である「レポート.docx」を提出すれば、Wordファイルを提出したことになると認識してしまうと推測されます。

".url" 以外には、通常の「ショートカット」である ".lnk" ファイルを提出してしまうケースも、わずかですが見られます。

ショートカットを提出させない工夫

近年のWindowsでは、実体のファイルとショートカットとを学生が混同しやすい環境にあると認識していただき、あらかじめそのような注意喚起を行い、それでもこうしたファイルが提出された場合は学生に再提出を促すのがよいと思われます。

また、「課題」では、「許可されるファイルタイプ」により拡張子のリストを指定しておけば、その拡張子のファイルしかアップロードできないように制限できますので、これもご活用ください。なお、この場合、ショートカットを提出しようとするとエラーが表示され、学生がとまどうことになると想像されます。エラーになった場合はどうすればよいかなども適宜指示しておくとよいと思われます。